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かしむのなしは

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一番町の定席「花座」の席亭でもある
白津守康さんとライターの椎浪真平さんによる
著書「かしむのなしは 仙台ジャズの歴史」の
出版を記念してのパネル展が
仙台駅東口のダテリウムで開かれているのに合わせ、
トークショーが開催されました。

全444ページ、200点以上の貴重な写真も掲載され、
サッチモが仙台に来てミュージシャンと握手しながら
にこやかにカメラ目線を送る一枚も。

第一部は白津さん自ら仙台ジャズの歴史を
作ってきた方に聞いたエピソードや思い出を
まとめたもの。

そして「杜の都のジャズはいかにして
形作られたのか」と題した第二部は
椎浪さんがその背景を丹念に調べ、
仙台ジャズの歴史を書き上げています。

第一部は、ミュージシャンの方々が
白津さんにリラックスしながら
びっくりなエピソードをさらりと話したり
しています。
バリバリの仙台弁の中に
タイトルにもなった「かしむのなしは(昔の話)」の
ような業界言葉が出てくると
呪文のようでもありますが(笑)、それが
この本の独特のリズムを作り親密な空気を
伝えてくれます。

第二部の中では「戦前」「戦中」「戦後」と
整理されて、歴史的背景や、その時代に流れていた
音楽、求められていた音楽、さらには
ミュージシャンが感じていた空気はもちろん、
街の景色や生活者が感じていた空気も伝えてくれる、
厚みのある内容になっています。

戦後に置かれた進駐軍クラブですが、
仙台には3つの階級の進駐軍クラブが揃い、
それぞれに求められた音楽が違っていたこと、
独自のルールや暗黙の了解、
譜面を揃える苦労など、ミュージシャンの心理にも
踏み込んだ考察がとても興味深いです。

読み進めていくと、この街に暮らす者として、
地図が重なります。きっとそれぞれの年代によって
重なる地図の色も違うのでしょう。
そして間違いなく、この街のエンタメにとっても
貴重な一冊だと思いました。

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白津さんの20年に及ぶ聞き取り取材の
結晶でもある「かしむのなしは」。

白津さんと私が最初にご一緒させていただいたのは、
「Jammin' A-GO-GO」というDate fmの番組で、
まさに本の中にでてくる仙台重鎮の
ジャズミュージシャンのみなさんに毎週
インタビューをさせていただきました。

中には天国に行かれた方もいて
読んでもらいたかったな、と白津さん。
私はこの本を読んだ後に、もう一度
お話を伺いたかったな、という気持ちです。

【取り扱い書店(本日現在)】
一番町金港堂、丸善、ヤマト屋書店各店

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2022年9月 4日 23:35に投稿されたエントリーのページです。

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