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アクセス線で

仙台空港アクセス線に乗り
向かい合わせの席で発車を待っていると
大きなリュックを背負った小柄なおじいちゃんが
乗り込んできました。

「仙台空港に何時に着きますか?」
西のほうのアクセントでそう聞かれ、
スマホで調べて到着時刻をお知らせすると
「けっこうすぐ着くんやね」と。

おだやかな口調につられて
「ご旅行ですか?」と聞いてみると、
親戚のご法事で大船渡まで行かれていて、
仙台観光をしてこれから大阪空港へ飛ぶのだそう。

大船渡の街の様子はどうでしたか?から始まって
いろいろ話していると、
おじいちゃん自身、阪神淡路大震災の時は淡路島からの
フェリーの船長さんをされていたのだとか。
状況があまりわからないまま第2便を出したものの
途中で早朝に出た第1便から連絡が入り、
接岸できないことがわかって途中から引き返したこと、
その時の「地獄絵図だった」という街の話、
その後の混乱のこと、そしておじいちゃんが東日本大震災で
感じたことなどを話してくれました。

「あんなに大変なことがあっても
みんな助け合ってね、暴動にならないなんていい国やね」

なんだか、その口調にぐっときてしまったのと
阪神淡路大震災を経験した先輩に
2011年以降たくさん助けていただいたことを
思い出しながら、しばし窓の外を眺めていた私。

そうしているうちにあっという間に私の降りる駅に。
なんだかもっと話していたいような、
たまたま手にもっている(美味しそうだとおもって
仙台駅で買った)金華しめサバをおじいちゃんにお土産に
渡したい気持ちをぐっとこらえながら...

「じゃ、どうぞお気をつけて」
と降りようとすると、さっきまでの口調とは異なり
「はぁ...え、えぇ...」と、
おじいちゃんの目があきらかにびっくり。

あぁそうか私の荷物...
大阪まで帰るおじいちゃんより多い...
わたしも空港まで行くと思われていて所用時間を聞かれたのか...

そしてあとから隣にすわった女子高生と若い女の子も
びっくり。
あ、おじいちゃんと私同じグループと思われたのか...笑

実家について聞いたことを母に話すと、相槌をうちながら
「あら、そう〜」
「大船渡もねぇ」
「おじいちゃんも大変だったんだっちゃね」
「祝迫さん(私の先輩)にも助けてもらったもんね」
とひとつひとつ私と同じ感想を述べていました。

最後は、
「この金華サバお土産にあげればよかったっちゃ〜」

やっぱり。言うと思った。

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2017年4月17日 22:27に投稿されたエントリーのページです。

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